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エリアによる投資効率の改善
エリアアロケーションを検討すべき「ビール飲料」の参考例です。国税庁の平成28年度分「酒類販売(消費)数量等の状況表」を元にテレビCMの投下コストと比較してみます。この例ではテレビCMの投下量を全国一律ではなく下記の比率で試算しています。ただし、投下コスト合計(全国)は、世帯1,000GRPを全国均一で投下した場合とほぼ同額となっています。
※関東(1都6県)・関西(2府4県)・中京(3県)は1,200GRP、主要エリア(札・福・仙・広)は800GRP、福井・徳島・佐賀・宮崎は300GRP、その他地区500GRPで試算。
仕事終わりの “旨い” ビールは、必ずしも家(居住エリア)で飲まれるものではないので(家庭用と業務用の消費量は半々)、都市圏ではその中心となる都府県での消費量が大きくなります。しかし、全国8エリアに区分するとターゲット人口比率とビール消費量比率は概ね近いことがわかります。ただし、テレビCMに掛かっている投下コスト比率には少々偏りがありそうです。消費財の場合、既にテレビCMが全国一律GRP投下でない場合も少なくないですし、エリア毎のマーケットシェアの影響や戦略的なコスト増減も当然あります。また流通対策上、テレビCM投下が不可欠である場合もありますが効率性を把握して行うメディアプランニングと、そうでないプランニングとでは大きな差が生じます。
ビール消費量とテレビCM投下コスト比較(1,000人あたり)
首都圏と九州・沖縄では、消費量は1.3倍だが、投下コストでは3.5倍に
データ元:総務省「平成30年1月1日住民基本台帳」、国税庁平成28年度分(平成28年4月~平成29年3月)「酒類販売(消費)数量等の状況表」にDI.オリジナル指標を加え独自試算
このビール飲料向け分析では、「20歳以上男女」をターゲットとして、エリアアロケーションを検討する任意の営業拠点の8エリアに区分して⽐較をしています。このように、自社の営業エリア区分や、商品・ブランドに合わせたデモグラ別ターゲット数、市場規模などを変数として勘案することで、全国のエリア適正コストを再検討することが可能になります。